自民改憲案 VS 日本国憲法~緊迫! 9条と96条の危機

著者/上脇博之(かみわきひろし)

定価/900円(税込)

判型/A5判 ソフトカバー

頁数/102ページ

発行/2013年5月10日(奥付記載)

発売/4月27日予定

ISBN/97848889008852

 

 

【内容紹介】

「専守防衛」論者の多くが今の9条改憲に反対している中、自民党は「日本国憲法改正草案」を発表した。それは日本を再び戦争をする国に変えようとするが、問題はそれだけにとどまらない。平和的生存権は否定され基本的人権の保障も変質する。天皇が「元首」となり国民主権は相対的に後退。憲法は国家権力を拘束するものから、国民を拘束するものへと変わり、国民の多様な生き方を保障するものから、それを実質的に否定するものへと変貌いていく。これは「憲法改正の限界」を超える憲法改悪なのだ!

 

【著者紹介】

上脇博之(かみわきひろし)

1958年生まれ。神戸学院大学法科大学院教授。専門は憲法学。特に政党に関する憲法問題、国民代表制論、政治資金問題など。株主オンブズマン共同代表、政治資金オンブズマン共同代表、兵庫県憲法会議事務局長。ブログは「上脇博之 ある憲法研究者の情報発信の場」http://blog.livedoor.jp/nihonkokukenpou/

 

【目次紹介】

はじめに

 

第1章 日本国憲法はどんな憲法か
「固有の意味での憲法」と「近代的意味での憲法」
国家に対する不信と憲法規範
「国家からの自由」としての自由権
「国家による保障」としての社会権と現代憲法
近代憲法・現代憲法としての日本国憲法
外見的立憲主義の大日本帝国憲法(明治憲法)
大日本帝国憲法の反省としての日本国憲法
侵略戦争の反省としての平和国憲法
戦勝国アメリカが押し付けたものか?
憲法改正とは何か
硬性憲法憲法改正の限界

 

第2章 何のために9条を変えようとするのか
「専守防衛」のための9条改憲ではない
アメリカの戦争に本格的に加担・支援するため
日米安保のグローバル化
軍事的国際貢献も口実に
9条改憲はアメリカの要求
日本の財界も要求
「専守防衛のため」はありえない!
アメリカと財界の要求に応えて
イラク平和訴訟の画期的な違憲・違法判決
明文改憲・解釈改憲・立法改憲
「解釈改憲」に失敗した鳩山・小沢民主党政権
改憲政党は「立法改憲」を公約
再び「解釈改憲」の危険性

 

第3章 ここがおかしい自民党「日本国憲法改正草案」!
前文の全面改訂で戦争責任を否定
自衛隊から国防軍へ
集団的自衛権行使も多国籍軍への参加も許容
「戦争はしていない」、「戦争には参加していない」!?
平和的生存権の否定
国防軍が国民の運動を弾圧
軍法会議の復活
平和主義を変質させる全く別の憲法への「改正」は無効!
国粋主義的、復古的内容
天賦人権説の否定
「個人の尊重」は削除!?
例外として拷問・残虐な刑罰を容認!?
新自由主義的規定と社会権保障の後退
徴兵制も「合憲」に
基本的人権尊重主義とは言い難い
「新しい人権」を保障しているか?
統治機構・地方自治の変質
「公権力を拘束するという憲法」観の否定

 

第4章 問題だらけの憲法改正手続
18もの附帯決議がある欠陥法
国会の発議における問題点
国会発議から国民投票まで極めて短期間
国民投票の重大な欠陥
改正の限界を超えても無効訴訟は提起できない!?
廃止すべき現在の憲法改正手続法
憲法改正手続の「改正」の主張
改正要件緩和をめざす超党派の議員連盟・研究会
改憲政党の96条改憲公約
国民投票を残し「国会の発議」要件を緩和する第96条改憲論
国民投票回避も可能とする第96条改憲論
硬性憲法の軟性化は違憲!
国会の発議の乱発のおそれ

 

おわりに

 

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