著者/黒田 充(くろだ みつる)
定価/本体1400円
判型/A5判 ソフトカバー
頁数/172ページ
発行/2016年2月25日
ISBN:9784889009187
【内容紹介】
あなたの氏名よりも番号、あなた自身よりもコンピューターがあなたのことをよく知り、コンピューターに評価され分類され排除される社会。そんな“超"監視社会をマイナンバー制度は作ろうとしています。
マイナンバー制度への関心は、番号通知が行われ利用が始まる中で急速に高まっています。また、署名運動が取り組まれたり、違憲訴訟が提起されたりなど、ようやくマイナンバー制度反対・廃止運動も盛り上がってきました。拙い論考ですが本書が、マイナンバー制度の本質についてのより活発な議論や、廃止への運動の一助になれば幸いです(著者まえがきより)。
【著者紹介】
黑田 充(くろだ みつる)
1958年大阪市生まれ。自治体情報政策研究所代表。大阪経済大学非常勤講師(地域情報論)。大阪府立大学工学部電気工学科卒業後、松原市役所に就職し税務などに携わる。1997年に退職し立命館大学大学院社会学研究科へ進学、修士号取得。著作に、『「電子自治体」が暮らしと自治をこう変える』(自治体研究社、2002年)、『2011年、テレビが消える』(自治体研究社、2006年)、『Q&A共通番号 ここが問題』(自治体研究社、2011年)、『共通番号制度のカラクリ』(現代人文社、2012年、共著)などがある。
【この本をお薦めします】
坂本 団(弁護士、日弁連情報問題対策委員会委員長)
マイナンバー制度の問題点が分かりやすく解説されており、この制度に疑問を持つ人に広く読んでほしい好著です。日本における番号制の歴史 も踏まえて、マイナンバー制度の狙いを解き明かしており、また、様々な資料が丁寧に分析されていて、専門家にとっても役に立つ一冊です。
日下部雅喜(大阪社保協介護保険対策委員/介護保険に怒る一揆の会事務局長)
今まで読んだマイナンバー本の中で、最も「分かりやすい」本です。マイナンバーはプライバシー侵害と監視社会化をもたらすものですが、「狙い」は社会保障の解体・自己責任化と収奪です。制度のイロハからその本質、もたらす恐怖の近未来まで生き生きと教えてくれます。社会保障関係や、自治体関係者、住民運動に取り組む人は必読の一冊です。
【目次紹介】
はじめに
1.マイナンバー制度とは
1-1 制度の目的と2つの番号
1-2 個人番号を告げる、告げない
1-3 個人番号カードは必要?
1-4 個人番号の保護とマイナポータル
1-5 国民総背番号制度の歴史
1-6 どこの国にも番号制度はあるのでしょうか
2.プライバシーの権利とマイナンバー
2-1 個人情報の流出の危険性
2-2 自己情報コントロール権とマイナンバー
2-3 プロファイリングとマイナンバー
3.マイナンバーの目的と問題点
3-1 政府はマイナンバーで「より良い暮らしへ」と言うけれど
3-2 社会保障費の削減
3-3 「適正・公平な課税」という名の「徴税の強化」
3-4 経済界とマイナンバー
3-5 戦争のできる国とマイナンバー
3-6 地方自治体とマイナンバー
3-7 番号を書けない人
4.際限なき利用拡大
4-1 ロードマップと閣議決定
4-2 暴走する個人番号カード普及策
4-3 個人番号カードと顔認証
4-4 ドンドン暴走、マイナンバー
4-5 マイナンバーがもたらす“超"監視社会
5.ではどうすれば?
主な参考文献
あとがき