著者/楠晋一(くすのき 晋一)、勝俣彰仁(かつまた あきひと)、川本善孝(かわもと よしたか)
企画/大阪社会保障推進委員会
定価/本体:1700円
判型/A5判 ソフトカバー
頁数/284ページ
発行/2014年9月1日
ISBN:9784889009118
【内容紹介】
国保料などの滞納金を回収するために、預金に振込まれた児童手当を差押えたという、余りにも無慈悲な役所の対応が裁判で争われ、法律違反だと決着がついた事件の成果と運動への活かし方について書かれています。
著者は当事者代理人を務め、また滞納差押え問題を一から研究してきた2人の弁護士と、当事者の相談相手となり運動を広げてきた相談員です。
今、全国各地で「預金に振込まれたら何でも差押えできる」という間違った考えで、当事者に相談もなく勝手に差押えをする自治体が増えています。
そんな徴収当局の間違いを正し、社会保障を国民のものにするための運動に役立ててもらえるために、ぜひともお読みください。
【本書の推薦人・木村達也弁護士】
「生活保障の各種公的給付金は差押が禁止されている。本書は自治体が住民の滞納税金を徴収するため銀行に振込まれた児童手当を差押えた事件を争い勝訴したものだ。私たちは今こそ社会保障を国民の手に取り戻さなければならない」
【著者紹介】
楠晋一(くすのきしんいち)=弁護士(京橋共同法律事務所所属)
大阪社保協らと協力しながらいのちよりカネという国保行政を許さないたたかいを続けている。主な著書に『住民運動のための国保ハンドブック2012』(日本機関紙出版センター・2012年)、『国際人権条約と個人通報制度』(日本評論社・2012年)、『Q&A生活保護利用者をめぐる法律相談』(新日本法規・2014年)(いずれも共著)がある。
勝俣彰仁(かつまたあきひと)=弁護士(大阪弁護士会所属)
弁護士登録後2012年9月まで、鳥取県米子市の高橋敬幸法律事務所にて執務。鳥取県児童手当差押え事件では、相談当初から高裁判決まで携わる。その他、全国B型肝炎訴訟、医療過誤問題、談合事件住民訴訟、過労死問題、独禁法問題(優越的地位の濫用)、霊感商法問題、刑事事件等に取り組む。
川本善孝(かわもとよしたか)
1955年生まれ。1995年鳥取民主商工会事務局入局。2002年6月同会事務局長。2008年7月鳥取民主商工会連合会事務局長就任。現在に至る。
【目次紹介】
はじめに
第1章 鳥取県児童手当差押え事件判決とその影響力
1.児童手当差押え事件はどんな事件か
2.たたかいの経過
3.たたかいの成果
第2章 滞納処分の基礎知識とたたかいの到達点とこれから
1.なぜ学習する必要があるのか
2.滞納処分とは? 差押えとは?
3.差押えのルール
4.財産調査では何をしらべるのか?
5.滞納処分の緩和手続き
6.滞納徴収現場の変化
7.これからの運動の課題
第3章 自治体による違法は差押え《救済と是正》~鳥取県児童手当差押え事件事件判決を活かす~
1.前提知識
2.鳥取県事件判決
3.違法な差押えの是正
4.おわりに
別表 主要な特別法上の差押え制限規定
【特別リポート】異常なまでの市税の徴収~群馬県前橋市で何が起きているのか
【資料編】
・平成23年度全国市町村滞納世帯・率と差押え件数・金額
鳥取県児童手当差押え事件判決書
第一審=鳥取地方裁判所・平成25年3月29日判決
控訴審=広島高等裁判所松江支部・平成25年11月27日
・生活保護世帯からの国民健康保険料の徴収等について(通知)
・生活保護世帯からの国民健康保険料(税)の徴収等について
・大阪社保協FAX通信 第1019号 2012・10・29
・国民健康保険料における滞納処分の停止について
・徴税運用指針
・第171回国会質疑・政府答弁
佐々木憲昭衆議院議員の質疑議事録
仁比聡平参議院議員の質疑議事録
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