著者/神崎貞代(かんざきさだよ)
定価/本体:1200円
判型/四六判 ソフトカバー
頁数/216ページ
発行/2014年7月20日
ISBN/9784889009088
【内容紹介】
1945年8月13日、ソ連軍の急襲により激しい市街戦が展開、逃げ惑う日本人家族たちの絶望の逃避行が始まった。満員の無蓋車と手榴弾、妹の墓標と累々たる土饅頭、松月ホテルのソ連軍大尉、金日成の目玉焼き、ある入院患者との別れ、そして日本人「慰安婦」に助けられての帰国。あれから68年、その眼に映る今の日本は…。
【著者紹介】
神崎貞代(かんざきさだよ)
昭和3年生まれ。
昭和20年3月、北朝鮮(朝鮮民主主義共和国)咸鏡北道清津公立高等女学校卒業。昭和21年6月、帰国。昭和23年、小学校勤務。昭和28年、退職。昭和52年、大阪府寝屋川市の小松病院職員寮に勤務。昭和62年、退職。
【目次紹介】
はじめに
第1章 敗 戦
杵と臼
忘れたカーディガン
「アカ」の目印
城津の機関区で
ちりめん皺の皮膚
ある日
信江の墓標
正吉さん
第2章 松月ホテル
裏 窓
夢がなけりゃ
十八歳の自問自答
田谷さんが消えた
三十八号室の大晦日
ぬかるみ
ボイラー室のシンフォニー
奇跡の再会
金日成と目玉焼き
蛹が蝶に
斉藤さんの看病
別 れ
母の手紙
忘れ得ぬ人々
第3章 北緯三十八度線
煤けた部屋で
裴さんのこと
軍営通りの出会い
萎れたすみれ
裴さんのさし絵
さよなら咸興
その人を「モスコー」と呼ぶ
蛍飛ぶ三十八度線
祖 国
おわりに
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8月2日、3日と平和のための戦争展わかやまが開催され、3日午前中、体験談コーナーで『松月ホテルの人々』の著者、神崎貞代さんが引き揚げ体験談を語りました。1人で話すのはどうも…という神崎さんでしたので、司会者が聞き役で、本の内容を紹介しながらお話が進められました。
「政府は、国民の命を守るためと、集団的自衛権行使容認の説明をしていますが、ウソです。現に私たちはだまされたのです…」と話し、赤痢になったリアルな話、国同士がどうであろうと、困っていれば助けてくれる、人と人とのつながりは別と言った話に、参加者は聞き入っていました。
『松月ホテルの人々~17歳、少女の朝鮮引き揚げものがたり』の神崎貞代さんのインタビュー記事です。「しんぶん赤旗・近畿版」(2014年8月30日)