来年度の介護保険見直しに向けてわずかな審議時間で「介護保険法等改正法」が可決・成立。現在その施行に向けて、厚労省の社会保障審議会介護給付費分科会での介護報酬・基準改定の議論を中心に検討が行われていますが、その内容は国民にはほとんど知らされていません。
このブックレットでは介護予防、日常生活支援総合事業、定期巡回・随時対応型サービス」という3つの問題を中心に、地域での今後の取り組みの課題を明らかにすることを試みました。これまでに「決まった」こと、介護保険見直しに込められた危険な狙い、法「改正」の重大な制度改悪の中身について現在わかっていることを解説し、「改正法」の関係条文や厚労省資料も掲載しました。
来年4月までの残された期間、介護保険を少しでもよくするために、これから私たちは何ができるでしょうか。今からでもできることはたくさんあるはずです。それが何か、一緒に考えましょう。
【著者】 日下部雅喜(くさかべまさき)大阪社会保障推進協議会・介護保険対策委員。1956年、岐阜県生まれ。日本福祉大学卒業後、堺市役所へ。2000年から自治体の介護保険業務のかたわら、一市民として「福祉・介護保険オンブズマン」活動、「介護保険料に怒る一揆の会」の活動に参画。
*定価900円(税込) A5判 88ページ
*ISBN9784889008746
【目次紹介】
はじめに
第1章 「改正」介護保険法で何が決まったのか
1「介護保険法等改正」の概要
2 介護現場に大きな影響与える改変
①認定されても介護保険が使えない? 要支援者のサービス切り捨ての仕組み
《コラム①》限りなく安上がりに 要支援のサービス
②定期巡回サービス~これで24時間の在宅介護が可能か
《コラム②》15年後の「安心介護の地域社会」? 地域包括ケアシステム
《コラム③》介護職の医行為の「合法化」 医療・介護の「機能再編」の狙うもの
3 これでは解決しない「介護保険料問題」
第2章 これから何ができるか
1 国に向けて私たちができること
①これから決まることとスケジュール
②介護報酬改定での争点
2 自治体に対してできること
①総合事業を導入させず、高齢者施策を充実させる
◎「総合事業」―質問に答えます 9問9答
《コラム④》大阪社保協自治体キャラバンから 市町村の介護保険担当課長も困惑 「あんなものは我が町では使えない」
《コラム⑤》大阪社保協自治体キャラバンから 「高齢者向け住宅」 かえって給付費が割高に
②第5期介護保険事業計~本物の「地域包括ケア」のための公的責任と住民参加による「地域計画」を
◎第5期介護保険事業計画問題ひとこと言解説
③高すぎる介護保険料引き下げの運動を
◎介護保険料問題を理解するためのひとこと解説
おわりに