先住民族アイヌを学ぶ

北海道に行ってみた

共編/石川康宏 建石始 大澤香

神戸女学院大学の学生たちがアイヌを学びに北海道へ。萱野茂二風谷アイヌ博物館、平取町立二風谷アイヌ文化博物館、国立アイヌ民族博物館・ウポポイ(民族共生象徴空間)、知里幸恵 銀のしずく記念館とアイヌの口承文芸、歴史と文化、遺骨問題、そしてアイヌの言葉など様々な姿に触れてきた。漫画『ゴールデンカムイ』のアイヌ語監修者中川裕氏の特別講演「アイヌの世界観とアイヌ文化の現在」も収録。巻頭カラーグラビア付き、アイヌの今を学ぶ最新テキスト!

 

■判型/A5判 ソフトカバ

■頁数/206ページ

■定価/1650円(本体1500円)

■発行/2023年9月20日
■発売/2023年9月27日

 ISBN9784889002843

 

■【もくじ】の紹介

 巻頭グラビア

はじめに 建石始(神戸女学院大学教授)

 

1部 北海道に行ってみた
よく学び、楽しくすごした4日間 石川康宏(神戸女学院大学名誉教授)

 

1章 アイヌ語と口承物語の継承者 木幡サチ子(アイヌ語口承文芸講師)

イランカラㇷ゚ テ〜こんにちは

小鳥と水の物語

カミナリが落ち、村は全滅に

祖父の子守唄を勉強し

〈質問に答えて〉

 

2章 違いを認めて理解し合えば、戦いは起きない 貝澤耕一(平取アイヌ文化保存会事務局長)

世界で一番アイヌ民族の密度が高い村

歴史を明らかにしない国立博物館

アイヌ民族と二風谷ダム裁判

ロシア、ウクライナ、そしてアイヌ

先住民族と認めたが権利は認めない日本政府

日本は単一民族国家ではない

1人ひとりが違う存在として生きている

もっと相手を理解し自分を表現する

〈質問に答えて〉

 

3章 過去に目を閉じる者に未来はない 木村二三夫(平取アイヌ遺骨を考える会共同代表)

アイヌが辿らされてきた屈辱的な歴史

日本政府は加害者という認識を学校教育で

「一通の嘆願書」をきっかけに

過酷な強制移住、強制労働と私の祖先

遺骨盗掘と返還問題

アイヌ政策推進法の周知徹底を

アイヌ遺跡を隠す北大

多民族多文化国家に歩みを

〈質問に答えて〉

 

4章 アイヌ語を北海道の公用語にしたい 関根健司(平取町教育委員会・アイヌ語講師)

二風谷で妻と出会いアイヌ語に魅了

アイヌ語が話せないのは自然なこと

二風谷小学校でアイヌ語授業

マオリ族の言語学習メソッドに学んで

〈質問に答えて〉

 

2部 北海道から帰ってきて

 

1章 《学生座談会》フィールドワークを終えて

岡野眞生子 森谷野乃花 立花若葉 前田奈奈葉 濱野笑里 中川稚菜 野崎舞 久保田梨紗 末富琴子 飯田好花 松本佳子 新海沙和 石川康宏

1.平取町でみっちりお話をうかがって

2.それぞれの資料館を見て考えたこと

3.北海道を訪れる前と後で

 

2章 《教員座談会》フィールドワークを終えて 石川康宏・建石始・大澤香

1.訪れたからこそ学べたこと

2.萱野茂二風谷アイヌ資料館で

360歳からアイヌ語を学んだ木幡サチ子さん

4.平取町立二風谷アイヌ文化博物館と貝澤耕一さん

5.アイヌ料理、舞踊、ムックㇼ、輪唱も

6.遺骨問題と木村二三夫さん

7.アイヌ語普及と関根健司さん

8.ウポポイ展示の明と暗

9.自分を重ねて観た知里幸恵 銀のしずく記念館

10.大学にもどって

11.学生たちの学びをふりかえって

 

3部 アイヌの世界観とアイヌ文化の現在

中川裕先生をお招きして 石川康宏

 

1章 アイヌの世界観とアイヌ文化の現在 中川裕(千葉大学名誉教授)

伝統的な音楽を現代化して歌うアイヌの人たち

アイヌ民族文化財団のアイヌ語ポータルサイト

日常生活をアイヌ語で

アイヌ文化は過去のものではない

キーワードはカムイ

カムイを日本語に訳せば

アイヌのカムイ観

あらゆるものと共生

ヤブマメの唱え事

アイヌと交易

『ゴールデンカムイ』を読み解く

人間とカムイの関係という思想

アイヌの世界観の中心にあるもの

 

2章 中川裕先生と学生たちのQ&A

学校の教科書に書かれていない歴史の学び

アイヌ語習得はどうやって

ルーツに当たる方言の言葉を覚える

アイヌ文化は人に注目して

アイヌ語が氾濫する状況を

アイヌを知る交流の場を

 

おわりに 大澤香(神戸女学院大学准教授)

 

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